今や世界でも広く知られる日本のハイクオリティなAVだけに、その存在を知る女性は少なくないことでしょう。
ですが実際仕事にするとなれば、詳しい事情はよく分からないかもしれません。
今回は、初心者でも安心してAV業界に飛び込めるよう、仕組みや習慣、専門用語について特集しました。
AVってどうやって作られるの?
基本的に、カメラマンとAV女優さえいれば最低限の作品は作ることが可能です。
カメラマンがカメラを持ちながら男優としても仕事をし、主観目線で撮影すれば一つのAVとなります。
またさらには、カメラを固定で録画モードにして、脱衣やオナニーシーンを収録すれば、AV女優一人であっても一応は作れます。
とはいえ多くの作品に関しては、一人二人のみならず、多くの人間が力を合わせて制作しているのが実際のところです。
まず関わる人間を大まかに紹介すると、制作会社・監督・プロデューサー、流通会社・プロモーション(宣伝)会社、AV女優事務所・プロダクション、AV女優の4者となります。
もちろん4者といっても、それぞれ多くの人数が携わるので、実際の人間の数はかなり多いです。
中には本当に個人で撮影して裏流通させるような悪質ケースもあるようですが、正規の仕組みとしては、それこそ映画作品を一本仕上げるように、しっかりとした段取りで力が注がれています。
AV女優のお金事情
AV女優=給料が良いといった考えは、多くの人が持っているかと思われます。
事実、一昔前までは、出演さえすれば1,000万以上ものお金が受け取れていた時代もあったようです。
ですが現在においては、事情が変わってきています。
AV女優になるというハードルが下がってきており、希少性はだいぶ失われてきています。
加えて女の子のレベルも格段に高まってきているので、ちょっとやそっと可愛い、美人といった見た目の人に、一攫千金は難しいのが実際のところです。
金額は、AV女優のランクや作品、出演人数によってもまちまちで、一本10万円以下となる場合から、数100万円に至るケースまでさまざまです。
また本当に力の入れられた作品であったり、元芸能人、元アイドルなどの肩書きがつく女優ともなれば、かつてのように一本1,000万円を越えることもあるようです。
いずれのケースにも共通しているのは、多くの現場でお金は手渡しにて受け取れる点です。
撮影が終わった当日に、そのまま手に入るので、お金に困っているときなどは嬉しく感じられることでしょう。
アダルトビデオ業界での恋愛について
性的な行為そのものが仕事であるだけに、少し意外とも感じられますが、実は業界における恋愛は、厳しく禁じられていることがほとんどです。
性に奔放な人ばかりかと思えば、決してそうでもないのです。
口頭で注意されるどころか、契約書によって現場スタッフやマネージャー、AV男優との交際はできないという取り決めを交わすケースも少なくないほどです。
AV業界は、とてもプロ意識の高い世界です。
それだけに、仕事に支障が出るような関係性となることを、あらかじめ防いでいるのです。
彼氏や元彼が絡みの相手ともなれば、気まずい雰囲気やちょっと違和感のある仕上がりにも繋がりかねません。
たくさんの人が関わり、そして多額のお金が動いているからこそ、徹底されているのです。
AV女優の雇用形態について
ほとんどの場合、AV女優は事務所やプロダクションに所属する形で仕事を請けます。
ですが雇用形態としては、委託の形で案件ごとに受託するケースがほとんどです。
社員やアルバイトではなく、あくまで個人事業主といった形式です。
そこで問題となるのが、保険や税金についてです。
まず前者に関しては、雇用保険に加入できない上、社会保険は厚生年金でなく国民年金の形が一般的です。
自身による手続きが必要ともなるため、気をつけましょう。
また後者税金に関しても、事務所等側では処理してくれないため、確定申告によって納める方法となります。
振込みではなく手渡しによる日払いが一般的なので、バレないのでは?ともちょっと考えられますが、税務調査を受ければすぐに発覚してしまうので、ちゃんとしておきましょう。
またもう一点、年収が1,000万円を越える場合に関しては、個人事業主でなく、自分の株式会社を作り法人化しておいた方が税金支払いが抑えられます。
近年、AV女優として1,000万円プレーヤーになるのは容易でありませんが、もしその域に達したら、検討してみても良いでしょう。
AV業界のお金に関する暗黙の了解
契約などで取り決められるとまではいきませんが、業界では「自分のギャラは他言しない」という暗黙の了解があります。
なぜそうした仕組みになっているのでしょうか。
メリットデメリットを踏まえ、ご紹介したいと思います。
メリット
AV制作において発生した事務所への取り分から、さらにマージンを抜いた状態でAV女優には支払いされます。
ここでポイントとなるのが、事務所によってこのマージン率が異なるという点です。
そのため、同一作品に出演した女優同士でギャラの話をして、手取り額に差があれば、事務所の内情が知れてしまい、場合によってはモチベーションが低下することも考えられます。
その点口にさえしなければ、そうしたケースも防げるので安心です。
デメリット
デメリットとしては、マージンとして天引きする率が、異常に多い悪質な事務所であった場合、その事実に気付くことなく働き続ける形となる点です。
30~40%が妥当な率ですが、50%以上ともなれば、法外な料になってきます。
金額的にも損してしまいますし、また事務所への信頼性にも関わってくるので、そうしたケースを見抜けないのは、暗黙の了解があるからこそのデメリットともいえます。
ですが50%以上取られる事務所でも、それに伴い福利厚生を充実させてくれている場合があります。
例えば、高級寮を用意してくれている、税理士をつけてくれている、美容整形代を負担してくれる、送迎が徹底している、その他、仕事面で特別に力を注いでくれているなどです。
その場合においては、一概に信頼を欠く事務所とはいえません。
こうしたことから、ただマージンが大きい、手取りが少ないというだけで移籍を検討するのは時期尚早といったところです。
そのような勘違いを防ぐためにも、暗黙の了解は良い役割を担ってくれています。
AV女優なら知っておくべき専門用語
仕事をする中で、日常や風俗などでは聞きなれないような特有の言葉が使われる場合もあります。
スムーズに対応できなければ、撮影の流れに支障を来すかもしれません。
ある程度は、知っておきましょう。
例えば「絡み」です。
こちらは愛撫や体の絡み合いといった意味でなく、”本番”を表す言葉として使われます。
単純に受け取ってしまうと間違いに繋がるので注意しましょう。
次に「キカタン」です。
これは企画単体作品、もしくは企画単体女優のことで、企画のもと作られた作品に単体で出演する形となります。
企画に数合わせで呼ばれるような企画女優よりも上のランクになるため、最低ランク以上のギャラが期待できます。
ちなみにステップアップの流れとしては、企画女優・キカタン女優・単体女優・セクシータレントという順が一般的です。
「ゲリラ」は、撮影許可を得ることなく”ゲリラ的”に撮影を敢行することです。
リアルなシチュエーションや恥ずかしがるAV女優のリアクションなどが収められるため、稀に取り入れられる手法です。
ですが、公然わいせつなどで逮捕される可能性もあるので、基本的にはゲリラを謳った企画でも、ちゃんと許可を取り演出上のみそうしているケースが少なくありません。
広告宣材などに用いる写真を「スチール」といいます。
「写真=スチール」と考えておいて問題ありません。
ちなみに「宣材」も専門用語の一つで、「宣伝材料」の略として使用されます。
ちょっと分かりにくい言葉になっているのが「まくら」です。
一般的にこの言葉は「枕営業」を表す際に使用されがちですが、ことAV業界においては、撮影に関する宿泊費として使用されます。
特に混同しやすい言葉かと思いますので注意してください。
もちろん、寝具としての枕でもありません。
AV女優として働く際の注意事項
最後に、AV女優ならではの注意点です。
いくつかありますが、ここではお金に関するものをピックアップしています。
二重契約の禁止
一度事務所に所属したら、基本的に並行して他の事務所とも契約を結ぶことはできません。
解雇や罰金、さらには業界から干されるケースにも繋がるので避けましょう。
関係者との恋愛によるリスク
前述で業界関係者との恋愛禁止を挙げましたが、この際複数のリスクも付きまとうので、覚えておきましょう。
まずは解雇の危険性です。
せっかく人気が出てきていた、仕事にも慣れてきていたという段階であっても、契約違反に基づき所属し続けられなく恐れがあります。
一時の感情に流されてチャンスを棒に振るのは、もったいないことです。
そしてもう一つ、高額の違約金支払いを求められるケースも懸念すべき点となります。
自分のみならず、相手男性にもそうした措置がなされるかもしれません。
男女共に大きなリスクを背負うので、この点も重々理解しておくべきです。
パブリシティーについて
出演媒体への露出における幅を、パブリシティーといいます。
家族や知り合いへの顔バレを防ぐ意味で、パブリシティー規制を希望することは役立つ存在となります。
ですが規制が大きければ大きいほど、やはり人気が出にくいのも実際のところです。
業界での活躍をとるか、プライバシーを重視するか、よく考えて希望しましょう。
まとめ
AVはカメラマンと一対一で作られるのではなく、さまざまな人、段取りを経て入念に仕上げられていきます。
一般的に想像されるよりも、実はプロ意識の高い現場なのです。
仕事をスムーズに遂行するための、専門用語も少なくありません。
またそれだけに、契約や注意・禁止事項なども徹底されています。
しっかり把握した上で働くようにして、トラブルを未然に防ぎましょう。
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